- 2003-07-20 (Sun) 04:59
今日のコミカレの講師は作家奥泉光でした。テーマは『文学とグローバリゼーション』ということで、面白くて楽しい話を聞くことができました。
内容は、まず最初に“小説を読む”とき、我々はいったい何をしているのか、ということからはじまり、記号とそれが指し示すものとの関係、コード、そして文学とはコードに内在しながらコードそれ自体を揺るがすものだという話に至りました。
また、グローバリゼーションに関しては、英語が国際語となったとき、英語以外の言語圏の文化にとっては有利である、なぜならグローバリゼーションとは世界が均一化するということを意味するのではなく、異質なものたちがコミュニケートできるということを意味するからだ、そして、ちょっとしたエピソードとして、イギリスの一部の人たちは、英語が国際語になることがイギリスにとって危機を招くだろうことに気づきはじめている、といった話を紹介していました。文化や芸術といったものは異質なものが衝突する場から発してくるのであり、均一なところからはあらわれてこないだろう。国際語が英語になったとき、自国語と英語の二重性を強いられる我々を含めた英語圏外の国にとっては圧倒的有利であろう、と。フランスなんかは、国際語は英語でいきましょう、そのかわりフランス語はしっかりと守らせていただきます、という立場だそうだ。国際語が英語になったとき、我々はますます自国語を鍛え強化しなければならない。それはいわゆる“美しい日本語”などというものではなく、日本語が表現しうる領域を広げること、日本語が表現しうる概念の領域を広げることにほかならず、奥泉さんは小説家としてそうあろうとしているそうだ。
楽しいエピソードをまじえつつ、たいへん楽しい時間を過ごすことができました。柄谷行人が講師のときはある意味で勇気づけられもした。奥泉さんには、自分が書こうとしている小説について考え直す契機となるかもしれないなという予感がありました。恥ずかしながら彼の作品を読んだことがないので、ぜひともこれは読まなければと思っています。
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