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思い出せないこと、思い出されないこと 思い出せないこと、思い出されないこと

  • 2004-04-10 (Sat) 18:00

 自分ではけっこういろんなことを覚えていると思ってきたし、それに究極的には何も忘れたくないと思っているわけですが、現実はそうではなく、ボクは本当にたくさんのことを忘れてしまっている。
 最近、昔のことをよく思い出してみる。たぶん、直接のきっかけは今年のはじめに祖父が亡くなったことなんだろうと思う。それでボクは子供の頃の自分と祖父とを思い出すことになった。そして、思い出せば思い出すほど、自分がそのことをもうずっと長い間忘れていたことに気づかされることになった。
 本当にいろんなことを忘れてしまっている。
 気がつけば過去の出来事を思い出そうとしていることに気がつく。そのことはボクにとって特に悪いことではない。思い出すことができればまるでその出来事にはじめて接したときのような新鮮味と同時に既視感も感じることができるし、思い出せなかったとしても少しだけ心の中で泣いてしまうくらいだから。
 ボクが一番恐れているのは未来のことなのです。今ボクに起こっている出来事、そのことを未来になって思い出せなかったとしたらと思うと今の存在そのものが消えてなくなってしまうような不安に襲われる。きっと、そのときもたぶん心の中で少し涙を流すくらいなんだろうけど、思い出せないことよりも思い出されないことの方がはるかに不安を覚える。
 例。
 昔のメールを見ていて、ある期間だけわりと頻繁にメールをやり取りしている人がいた。その中に書かれていることとボクが書いたことのほとんどをボクは理解できないでいる。その人がいったい誰なのかも、メールの内容からしばらく考えてみてようやくあたりをつけることができた程度で確信は持てない。たぶん友達の友達なんだろうと思う。そういえば友達の家でそのような鍋パーティーがあったような気がする。

 ということと同時に、もし全ての記憶を留めておくことができたとしたら、ボクたちの過去に対する接し方は今とはずいぶん違ったものになるのだろうかと思ったりもする。
 毎日、記憶を光ディスクにバックアップできるようになったとしたら、きっと誰も『懐かしい』というような感情は抱かないようになるんだろう。

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