パン屋、ヘアカット、焼き鳥

 日曜日は彼女がハングル検定を受検するということで、朝の10時くらいに駅まで送りに行きました。試験は昼の2時からだったらしいのだけど、テキストを買ってもほとんど勉強できなかったので最後の足掻きみたいなものでしょう。本町のスタバで勉強すると捨てぜりふを残して行きました。
 ボクはその足で家の近くのパン屋に行ってサンドウィッチやなんかを3つくらい買って家に戻り、パンを食べながらネットをさまよったり本を読んだりしているうちに、いつの間にか眠りに落ちていました。
 土曜日くらいから寒くて、そのときもガスストーブを入れたまま寝てしまったので気がついたときには少し汗をかいていました。時間を気にすることもなく、眠りから覚めれば小説の続きを読んで、またいつの間にかうとうととしてしまっていて、というのを2回くらい繰り返したことと思います。時間もなくてなかなか読み進めることの出来なかった阿部和重のアメリカの夜をようやく読み終えることができました。
 小説を読み終えたところで美容院に電話をしてカットの予約。4時15分からの予約を取りました。ほどなく試験が終わったとの彼女からのメール。お腹空いたので何か食べて帰ってくる彼女と、4時15分から髪の毛をカットしてもらうボクのどちらが先に家に帰ってくることだろう、きっとでもその差はそれほどないはずだと思いました。
 いつも行く美容院は家の近所にあります。歩いて5分くらい。いつも切ってもらっている美容師の男性はたしかボクと同い年ぐらいでカッコいい人です。ラジコンが好きで、昨日も走らせに行ってきました、とボクに話しかけてくれるのだけど、ボクはラジコンとか車とかにはまったく興味がないし知識もないので話が続かないんですよね。それでもゲームの話は少し出来るので、いつもゲームの話かサッカーの話をしているような気がします。美容院から出て彼女に電話をするともう家に着いているということでした。
 夜はボクの大学の後輩で彼女の友達のTとごはんを食べに行く約束があって、その前に切れたトイレの電球と彼女のコンタクトレンズの洗浄液と1週間分の食料を買いにカルフールへ。適当に買って、彼女の車でTの家に迎えに行きました。彼の家もそんなに遠くなくて、市こそ異なるけど車で10分くらいのところにあるのです。
 お互いの家の間にある焼き鳥屋に入ってたらふく鳥を食べました。もうしばらく鳥は食べなくてよさそうです。
 Tと話すのは、しかし疲れます。彼は知識は豊富なのだけど考えがあまり深くなく、物事を単純に図式化して考えるところがあると思うのです。それさえなければ、けっこう楽しく話せるかもしれないのになあと思うともったいない気もするけど、でもそこがほとんど唯一の生命線であるから致命的だとも思うのです。物事の成り立ちは数学の公式みたいにシンプルではないのだし、人がしゃべる言葉には幾通りもの意味が込められていて幾通りもの解釈の可能性があるのであって、そういうのを豊かさと呼びたいボクは彼の言動の貧しさばかりが目に付いてどんどん疲れてくるのです。
 帰りしなにまだどっかでコーヒーでもというTに、これ以上疲れたくなかったボクは『明日から仕事なので帰る』と言い放ち帰ってきました。家に帰ってきてからコーヒーを作って彼女と飲みながらテレビを見ていると夏木マリが52歳とは思えない肢体をカメラに惜しげもなくさらしていて、何かを惜しげもなくさらせるような人間になりたいなあと思ったりしました。彼女が寝るというので一緒にふとんに横になったら思ったよりも眠りがすぐ近くにいたようで、シャワーをしてから寝るという計画を吹き消してボクも眠ることにしました。

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