- 2005-05-09 (Mon) 17:47
- Liar, Sakuranomiya
そういえば、連休前に起きたある出来事について書くのを忘れていました。
それは4月28日の夜に起こりました。会社を出たボクは数時間後に大阪を離れることや次の日からの10連休に思いを馳せながら、コンビニで買った缶ビールを飲みながら道を歩いていました。
そして、桜宮橋を渡り終えたところで声に呼び止められたのです。
50歳くらいの男の人が『すいません』とボクに声をかけてきました。大川沿いの桜之宮公園から道路へ上がる階段の途中に立ち、どこか挙動不審な雰囲気を漂わしつつ話しかけてくるその男性になぜボクが足を止めたのか、おそらく前述のような解放感がそうさせたのでしょう。『ここらへんの人ですか?』と尋ねる男性にその質問の真意を問いただすと、どうやらボクが大阪の人間かどうかを尋ねたらしいので、そうだと答えました。男性は口を震わせながらそろりそろりと言葉を発していきます。けして綺麗な身なりではなかったけど、かといってホームレスだと断定する根拠も見つけられません(そのあたりにはホームレスの人がたくさん住んでいます)。男性が言うには、岡山かどこか(忘れました)から大阪に住む友人を頼って出てきた、しかし友人のところに行ってみると不在で、岡山に帰るにしてもあと600円ほど足りない、自分と同じような年の人に声をかけるのは躊躇ってしまう、ボクのような若い人に声をかけるしかなく申し訳ないけれど、自分の身分を証明するものは何もないのにこんなことを言うのは忍びないけど、できればいくらかお金を貸してもらえないか、ということでした。
ボクはまず『警察に行ってみてはどうですか?』と言ってみたが、男性はそれはもう済ませたと言う。男性は『見てもらえばわかると思うけど、体調があまりよくない』と言う。たしかに顔色や皮膚の感じから疲れがにじみ出ているような気はした。大阪で知人もなく地理もわからなくお金もない男性を見ていると少しのお金で助けることができるのならばと思い、ボクは財布から1000円取り出して男性に手渡しました。男性は『どうやって返させてもらえばいいか』と言いはしたけど、ボクが『別に返してもらわなくていい、他に困っている人がいれば助けてあげてください』と答えるとすぐに引き下がった。
男性がJR大阪駅への行き方を訊いてきたので、ボクは桜宮橋から歩いていく道筋を教えた。『1号線をまっすぐ行くと御堂筋に出るので右に曲がってまっすぐ行くとわかる』と言うと『どのくらいかかりますか?』と言うので『1時間はかからないと思う』と答えた。男性は、それでも30〜40分はかかるんですよね? とため息混じりに笑いながらボクが教えた方向に向かって歩き始めた。ボクは『がんばってください』と言い、男性とは逆方向に歩き始めた。
あとになって、あの男性の体調だともっと時間かかるかもなとボクは思った。
この話をあとで彼女に話すと、それが彼らの手口だと言われた。ボクはすっかり騙されたのだ、と。
たしかにその可能性もあると思う。もう一度同じ場所に行けばあの男性がいて話しかける相手を物色しているかもしれない。いないかもしれない。真実は闇の中だけれど、男性の話が本当だった方がボクの気分はいいなあと思った。
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