天国の口、終りの楽園。

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 天国の口、終りの楽園。を見ました。
 美形のベルナル(ガエル・ガルシア・ベルナル)が出ていると云うこと以外はほとんど何も知らずに見始めたのですが、冒頭からいきなりのセックスシーンに苦笑しました。
 存在するのかどうか疑わしいビーチへ旅立つことはまた、自らの死期を悟った彼女の死に場所を探し求める旅でもあったのです。死ぬほど美しいビーチを見つけそこに残ることを決意した彼女と、こちらへ戻ってきた彼ら2人。しかし一度向こう側(死)に触れた彼らはもはや元の自分たちではないし、それまでの2人の関係が消えてしまったのは彼らが一度死んでしまったと云うことを物語っているように思えてならない。つまり、一見、若さやセックスにあふれた生気あふれるこの映画は実はまったくもって死についての物語であり、一度そのことに思い至ると驚くほどにすべてががらっと異なった様相を伴って見えてくるのです。
 ビーチ(死者の国)へ向かう途中、これもまた印象的なのですが田舎道を走っているときに『女王様への寄付』を求める人たちと出会います。道をふさいで車を停める様は門番をイメージさせますし、その先へ進むと云うことはそれまでとは別の世界へ入ることを物語っているように思えます。また車の修理に立ち寄った田舎家で彼女は自分の名前の付いた人形を見つけます。死者の国に自分の名前を見つけると云うことが何を喚起させるかはいうまでもありません。
 そういう意味ではとても古典的で原型的な物語であると思いました。

天国の口、終りの楽園。
ナド・エンタテイメント (2003/03/28)
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