カート・ヴォネガット死去

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 夕方、ひとりで仕事をしていると参加している某MLにカート・ヴォネガット死去の情報が流れてきた。

 正直言って、ボクはヴォネガットの良い読者ではなかったかもしれない。彼の小説は数えるほどしか読んだことがないし、常々読みたいとは思いつつも他の作家の作品を優先してきた。
 ただひとつ、ヴォネガットの思い出を語らせていただければ、ボクは彼のスローターハウス5を題材にして大学の卒業論文を書いた。その小説には筋道だったあらすじなどなかったけどボクにはとてもリアルに迫ってきた。人の生きている有り様をそのままぶつけたような小説だった。取り上げられている題材は深刻なものであったり奇想天外なものであったりするのだけど、その奥には我々がこの日常で生きている中で行っていることが書かれていると思った。ボクにとって大切な小説のうちのひとつです。

 よい読者ではなかったので作者に思い入れがあるとは到底言うことは出来ないけど、何かポカンとしたものを感じてしまう。きっとそんな偽物の空虚感なんて笑い飛ばされてしまうかもしれない。いずれにせよ、久しぶりにスローターハウス5が読みたくなった。昔買った文庫本は書き込みや付箋で散々に汚れていたのを覚えている。あの本は今どこにあるんだろう。彼のおかげで大学を卒業できたようなものなのに。

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