この週末の3連休には行わないといけないことがいくつかありました。
まず、妻の親戚からいただいた結婚祝いのお礼にまわること。これは妻の実家の富山で行うことになるので富山まで行かないといけません。そしてもうひとつは大阪の引っ越し先のご近所への挨拶まわり。あとは出来る限りの引っ越しの荷造りとか。基本的にボクは今東京で仕事をしていて大阪での引っ越しは妻と妻の妹まかせになってしまうので、大阪に帰ったら限られた時間内で出来る限りやらないとね。
そういうわけで、まずは金曜日の夜に上野を出て金沢に着く夜行列車に乗ることにしていたのですが仕事のあとでいったん家に帰ってから週末の着替えなんかを用意して臨もうと思っていたのに、仕事のおかげで家に帰ってる時間がなくなってしまいました。しょっぱなからやってくれるものです。前途多難。それで仕方なく普段の仕事帰りの荷物を抱えて上野から夜行列車に乗りました。
夜行列車に乗るのなんてはじめてだったのでどういうものなのかまったくわからなかったのですが、何のことはない、ほぼ普通の特急列車でした。座席が少しだけリクライニング仕様だったような気がするけどあまりかわりはない。3連休の前日だったからかどうかほぼ満席でした。中には首から立派なカメラを提げて車両の外観や内装を収めている人も何人かいました。ボクはその日の朝から体調を崩していて頭が痛かったので早々に寝てしまいました。途中何度か目が覚めたら窓の外が明るくてもう朝になったのかと思ったのだけど、携帯電話を見ると時刻はまだ深夜の3時台とかで、それはただの停車中の駅の照明だったのです。それから途中の駅でしばらく停まっているなと思っていたら、今度はこれまでとは逆の進行方向に列車が走り出しました。バックも出来るのね。
窓の外が実際に明るくなりはじめると今度は列車に乗り込んでくる人たちも出始めます。その頃には発車時にはほぼ満席だった車両にも空席が目立ちはじめ、乗り込んでくる人たちは空いた席に落ち着くのですがそこで問題が。乗り込んでくる人たちはもちろん徹夜で夜行列車に乗ってはいないわけです。そして徹夜で夜行列車に乗っている人たちはそんな時間には疲れて寝ているわけです。その気分の違いはとても大きくて、新しく乗り込んできた乗客はボックス席の座席を回転させて家族で向かい合って楽しげに座っているわけです。そのひとつ後ろの座席では昨日の夜に会社を出たままの姿格好で頭痛もろとも一晩を座ったまま過ごした男がぼんやりとその様子を見守っているのです。どうして夜行列車の狭い座席に一晩押し込められた人たちを前にしてあんなに大きな音を立ててボックス席を回転させられるんでしょうか。
朝の6時半に金沢に到着して駅のまわりを少し物色してからスターバックスに落ち着きました。そこに結局3時間くらい居座って(カプチーノ2杯とパンをひとつ)、大阪からサンダーバード(グリーン車)でやってきた妻と合流して金沢と県境を接している妻の実家のある富山県にバスで向かいました。バスの車中で妻が手のひらをマッサージしてくれるや否や、ボクはあっというまに眠りに落ちました。
バスが妻の実家の最寄り駅に着くと、駅前では誰かが選挙演説を行っているようでした。というのもまず最初にたくさんの人が並んでいるのが見えたのですが、それがまるでバス停に入っていくバスを待っていたかのようにボクには見えて、町挙げてボクたち(の結婚)を祝ってくれているかのように思えたのです。もちろんそんなことは杞憂に過ぎず、寝ぼけ眼のボクは妻に連れられるままに駅まで迎えに来てくれた妻のお母さんの車に乗り込んだのでした。
妻が用事を済ませている間、ボクは妻の実家で仮眠を取りました。そのあとで家族総出で昼食に出かけ(おいしいというラーメン屋に行ったのだけどそうでもなかった)、それから妻の両親とボクたちとでお礼参りにまわりました。雨が降っていたしほとんどがはじめて会う人だったのだけど、簡単に済ませてもらったのでそんなに疲れはしませんでした。夕方に妻の実家に戻り、妻の妹の友達がやってきたり夕ご飯をいただいたりして7時過ぎに家を出ました。今回の帰省には目的がふたつあって、まずひとつは結婚祝いのお礼まわり、もうひとつはずっと実家に置いてあった妻の自動車を大阪に持って帰ることだったのです。車を富山に置いていたのは大阪でそれを使う頻度と駐車場代を考慮してのことだったのですが、この度引っ越す一軒家には車庫があるので駐車場代を気にすることがなくなったのです。
土曜日の夜の富山から大阪への帰路は大変なものでした。まずそれは台風へより近づいていくことになったのです。道中ものすごい雨に見舞われたりしながら、事故車を横目に見ながらなんとか帰ってきた頃には日付がかわっていました。一週間ぶりに家に帰ってくるととても安心して眠ることが出来ました。