カラスはなぜ鳴くのか

 先週くらいに家の近所でカラスをよく見た。ゴミの日になると、ほとんどの家庭が朝早くに家の前の道路沿いにゴミ袋をまとめるわけだが、実際にゴミ収集車がやってくるのはたいてい正午を過ぎている。特に週二回ある燃えるゴミ(生ゴミ)の日には一段とカラスの数も多く、午前中に近所を散歩していると穴が空いたゴミ袋からゴミが飛び散って散乱している光景が目に入ってくる。ときどきカラスがゴミ袋の前に立ってしきりに首を振ってあたりを見回しているのに出会うことがある。まわりに敵(人間?)がいないかどうか伺いながらゴミ袋を突こうというのだから何とも恐ろしい。そう、カラスは真っ黒で大きいので、電柱なんかに留まっているのの下を歩くときなんかは多少ならず心の中で警戒している。いつ襲ってくるかしれたもんじゃない。東京でもゴミの日になると駅前の電柱にカラスが集まってきていて薄気味悪く感じたものです。
 そのようにカラスに対して幾何かの恐怖心と警戒心を抱きながらも、ボクがまずカラスと聞いて思い浮かべるのは(実際のところはわからないけど、恐怖心や警戒心とはおそらく縁遠いであろう)志村けんなのです。『かーらーすー なぜなくのー からすのかってでしょー』という歌は子供の頃にテレビで何度も聞いたであろうし、たしかレコードまで持っていたように思います。志村けんがカラスの鳴き声を真似ていたのかどうかあまり記憶にありませんが、カラスの鳴き声を聞くと志村けんが鼻にかけて発声する独特の声色が思い出されるのです。
 先週は家の前の高架沿いや大通りの電線なんかに多く見られたのが、今週になって家の前を横切ったりするのを目や耳にしました。徐々にその活動範囲を広げているのでしょうか。
 というような話を妻としていると、妻が育った富山の実家には近くにこぢんまりとした林があってカラスの住処になっていたという話を聞きました。あるときあまりにもカラスが増えすぎて周辺の柿の木なんかに被害が出始めたので、猟銃でカラスを撃ってまわったというからスケールが違う。そんなこと大阪でも東京でも出来るわけがないですからね。冗談で『それだけカラスが多かったら別に狙わなくても、目をつむってでも打ち落とせたんじゃないの?』と言ったら『そんなことはない』とまじめに訂正されました。
 ところで、本当のところカラスはなぜ鳴くのでしょう。ボクにはヤツらが電柱に留まりながら下を歩く人間を見て『あいついけるんちゃうか』と襲撃の相談をしているようにしか聞こえません。

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