木曜日の夜に会社の忘年会がありました。そこで幾分飲み過ぎてしまったせいで、帰りに地下鉄の駅で階段を上がろうとしたところで転んでしまい、おでこを切ってしまいました。最初は血がどこから出ているのかわからなくて、ぶつけた勢いで眼鏡がどこかに飛んでいったので目を怪我したのではないかとまず疑ったのですが、おでこに持って行った手に血がべったりと付いているのが見えたのでとりあえずほっとしました。一緒にいた同僚の方が駅員を呼びに行ってくれている間にも、見知らぬ方に大丈夫ですかとティッシュを差し出してもらったりしたのを覚えています。それから駅員の方に救急車を呼んでもらって病院に運ばれました。ひとまず血は止まっていたみたいだったのですが、ぶつけたのが頭だったということで生まれて初めてCTスキャン検査を受けたり、体の他の部分はぶつけていないかということで腹部エコー検査を受けたりしました。傷の痛みは意外と少なく、痛かったのは消毒と縫合前に打たれた麻酔注射でした。麻酔注射は痛かっただけに効き目もよくて、縫合には痛みも感覚すら感じることなくただ糸を切るような音が聞こえてくるだけでした。
何時くらいに階段で転んだのか覚えていないのですが、支払いを済ませて(びっくりする金額だった。縫合は手術になるのかな、医療保険が適用されないか確認中です)薬をもらって病院をあとにしたときには深夜の3時を過ぎていました。同じ方面に住んでいる同僚の方が救急車で一緒に病院に来てくれていて待ってくれていました。携帯電話には妻からの着信とメールがたくさん届いていて、気がついたら連絡くださいとだけメールしたらタクシーで家に向かう途中で電話がかかってきました。事の次第を簡単に説明すると、連絡が取れないからもっとひどいことが起こっているのではないかと妻には心配させていたみたいで、救急車で運ばれたもののおでこを縫っただけだとわかると少し安心したようでした。家の近くで同僚の方と分かれて(方角的にボクの家が手前だったのです)家に帰って、血の付いた衣服やカバンを脱ぎ捨てて布団に潜り込みました。
以上の出来事は実際にボクの身に起こったことです。一言の誇張も何もありません。おでこに10針の傷、頬に擦り傷。酒量が増えていたこともわかっていたし、ボクが少しでも賢明であればこのような事態は十分に避けることが出来たでしょう。すべては自業自得のなせる技です。そしてもっとひどいことが起きていたかも知れない(あと数センチメートルぶつけるところが違っていたら目か頭を切っていたかも知れないし鼻の骨が折れていたかも知れない)と思うと、このことを教訓にしないのはよっぽどの馬鹿者だということになります。もし木曜日の夜に怪我をしなかったとしても、あのままの調子で今後も飲み続けていたら確実にもっとひどいことが起こっていたと思います。
もっとひどいことを想像させてしまった妻には怒られるのではなく(半ば呆れられているとは思うけど)、自分一人の体じゃないのだからと言われました。このことを教訓にしてこの先気をつけるように、と。本当にその通りで返す言葉がありません。怪我が傷で済んだのは、そしてそれが大きな傷であったのは、この先ボクが鏡を見るたびにいつもそこに傷を見つけさせるためなのだと思います。傷を目にするたびにボクはこのことを思い出すのです。
翌日に再び病院に行って消毒を受けてきました。夜中の4時くらいまで付き添ってもらっていた同僚の方と、救急車を呼んでもらったりボクが運ばれていったあとに(おそらく)流血の清掃の仕事を増やしてしまった駅員の方にお礼の電話をしました。そういうわけで、当分はおとなしく過ごします。反省もしてるけど、一歩間違えればと思うと恐ろしくなってきました。