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四月の雪

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 というわけで、早速四月の雪を見て参りました。
 韓国のドラマが新作から旧作まで連日テレビで放映されていたり、映画館やレンタルビデオショップでもドラマから映画までたくさんの作品がスタンバイされていて、またテレビCMによるところも大きいのだけど、近頃は韓国人俳優の顔を見ない日はないと言っても過言ではありません。冬のソナタは熱心に見たし、その他のドラマはきちんと見なかったけど映画館には何度か足を運びました。それでもやはりというべきか、そうだからこそというべきか、ペ・ヨンジュンという人を他の俳優とは異なる何か特別な存在として見てしまう自分がいます。なぜでしょうね。
 この映画もヨン様主演ということで見に行きました。物語については軽く聞いていたし、ヨン様の記者会見やインタビューをテレビで見てだいたいどのようなトーンの映画なのかということは察していました。
 不倫中に交通事故にあった男女それぞれの妻と夫の心の流れが静かに丁寧に描かれている印象を受けました。
 交通事故にあった男女はそれぞれの配偶者に対して何らかの責任を負うべきだと思ったし、ヨン様が妻に男の死を告げたのは、妻の意識が戻ったらどうするか、と質問されたときに冗談めかして答えた『復讐』に他ならないだろう。はっきりとは描かれていないけど、最終的には妻から離れたのだと推測する(引越を匂わせる部屋のシーンや、最後の最後で2人がどこかへ行こうとしているシーンなど)。不倫相手の死を知って泣く妻と同じように、夫もまた妻の不倫によって妻を失っているのだ。だから結婚相手を失ったもの同士が結ばれるのは当然の結果だ、とは言わないけど。
 面白かったのは(面白がってるのはボクだけかもしれませんが)、眼鏡をかけているときのヨン様は物静かで優しそうで柔らかな印象を受けるのに、眼鏡を外して服を脱ぐとその筋肉質な肉体とともに荒々しい男に変貌する、その対比がおかしくてたまりませんでした。まるで満月を見た狼男みたいになるのです。あと、韓国人は昼ごはんをカップラーメンで済ませるときでもキムチを食べるのだなと思いました。他に印象に残っているのは、酔ったヨン様が隣の部屋のドアをノックしていたこと、交通事故の被害者のところへ謝罪へ行く途中の田舎道に電信柱と電線がやたらと多かったことです。そして、実はもっとも印象に残っているのは冒頭の(おそらく妻の事故の知らせを受けて病院へ向かう途中の)車のフロントガラスに雪が舞い降りてくる映像です。

 四月の雪

ジャッキー・ブラウン

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 ジャッキー・ブラウンを見ました。
 物語がだらだらと繰り広げられる感じがして、肝心の『紙袋すり替え』シーンの3者それぞれの視点の並列的な描き方もパルプ・フィクションでの時間の遡り方に比べると工夫が足りなかったし、全体的にパッとした印象のない映画に思えました。小説でたとえるなら、途中で放り出すことなく最初から最後まで読み通すことは出来るのだけど、途中で物語にぐいぐい引き込まれて読む速度が上がるということがない作品だったと思います。個性的な俳優の個性的な役どころも、楽しめるのは最初のうちだけですしね。

ジャッキー・ブラウン
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チャーリーとチョコレート工場

 失業者3日目はチャーリーとチョコレート工場の試写会に行ってきました。彼女がどこかで応募して見事当選したのですが、当の本人は会社の先輩と昼から食事に行く約束をしていたので行けなくなったのです。ボクも土曜日くらい昼まで寝たいと思っていたのですが、急に失業者になったので俄アクティブな人間になったようです。家で昼ごはんを食べてから肥後橋にあるリサイタルホールまで行ってきました。
 映画はとてもおもしろかったです。監督のティム・バートンの個性がスゴく出ていて、グロさと可愛さが融合したファンタジックな世界が工場の中にはありました。チョコレート工場の域にとどまらないチョコレート工場がそこにはありました。でもこの映画を見終わってチョコレートが食べたいという気分にはまったくなりませんでした。
 映画の内容からか、試写会に来ている人の中には子供もまじっていました。ボクの隣の席に座った、兄弟連れの弟は社交性があるのか向こう隣の大人の女性に上映前からいろいろ話しかけたりしていたのですが、映画がはじまっても最初の頃はおとなしくしていたものの途中からはごそごそ動くし向こう隣に話しかけてるし、しかもボクの前の列(最前列)に座った親子連れの子供も途中から奇声を発するようになってそのたびに母親が『静かにしなさい』と小声で注意するのだけど、またすぐに子供は奇声を発し同じ注意が繰り返されするのを見ていると、ホントに子供というのは集中力がないなあと思いました。ボクも子供の頃はそうだったんだろうか。それとも時代とともに子供の集中力は失われていってるのだろうか。わからないけど、まあタダで見に来てるんだしいいかと納得するようにしたようなところです。
 試写会の帰りにおみやげ(口臭グッズと携帯ストラップ)をもらって、時間もあったので肥後橋からぶらぶらと川沿いに天満橋まで歩いて帰ってきました。
 失業者としては出来るだけ出費を抑えたいので、このような無料で行われているイベントには積極的に参加していきたいと思いました。

失業者2日目(9/2)

 いつまで続けるかわからないこのシリーズですが、とりあえず2日目はこんな感じでした。
 朝、お弁当を用意して彼女を仕事に送り出し、昼過ぎまで家でごろごろと本を読んだり(プログラムの勉強も含めて)してから、家にいるのが飽きてきたので近所の図書館に行って1時間半くらいプログラムの勉強と読書をしました。図書館にいると、どこか遠くの方から選挙演説が聞こえてきたのですが、演説はきっと近くで行われていて騒音をかき消す図書館の防音設備が機能を果たしていたのだと思います。帰りにはじめて図書館の屋上庭園に出てみたりもしました(それほどたいしたことはなかったです)。
 夕方に家に戻ってきて、吉田修一パーク・ライフを一気に読んで、それからアメリカン・ショート・ショート 2001スペシャルセレクションを見ました。
 パーク・ライフを読んでいて思ったのは、地方から東京に出てきた者の感覚というのがボクにはないなということでした。小説はとても読みやすく、読みやすすぎて何も残らないと思いきや何か残るという、初期の村上春樹の小説に通じる何かを感じました。
 アメリカン・ショート・ショート 2001はいくつかの短い映像作品が入っているのですが、おもしろかったのは『太った中年主婦が庭で野菜の世話をしているとキャベツの葉の中に隠された自分宛のラブレターを見つけ、その差出人を捜そうとするうちに、実は……』(いちおうオチは書かないことにします)という作品です。あと、ピアスやタトゥーに満足できなくなった男が銃で体に傷を付けるという本当なのかフィクションなのかわからない作品もインパクトとしては大きかったです。
 一昨日までいた会社から仕事のメールが来ました。担当していた仕事のメンテナンスですが、きちんと別料金で受けるつもりです(向こうがそれでよければ)。

パーク・ライフ
パーク・ライフ
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吉田 修一
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アメリカン・ショート・ショート 2001スペシャルセレクション
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アンブレイカブル

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 M.ナイト・シャマラン監督の作品を見よう運動の一環としてアンブレイカブルを見ました。
 やはり、この映画も最後の最後でのどんでん返しを見せたいがためにそれまでのストーリーテリングがあるというタイプの映画でした。それにしてはオチが少し弱いような気がします。
 ブルース・ウィリスのごつい顔がMr.インクレディブルに見えてきたりしたのと、サミュエル・L.ジャクソンの髪型が変だったのが印象的でした。

アンブレイカブル
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Mr.インクレディブル
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フリスク、皮剥、牛乳映画

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 20日ほど前に箱買いしたフリスク<ライムミント>がなくなったので、とりあえずコンビニでひとつ買いました。また箱買いしに行かなくてはなりません。
 昨日の夜も日焼けした背中は痒かったのですが、いよいよ皮が剥けてまいりました。痒いのでどうしても掻いてしまうからか赤い斑点があちこちに出来ているのですが(弱っている皮膚に刺激を与えたため荒れているのだと思います)、それにまじって黒っぽい斑点もあちこちに出来ていて、皮膚が硬くなったその部分から皮が剥けていっています。日焼けして皮が剥けるのなんて(鼻の頭くらいなら何度かあったけど)子供自分以来です。
 彼女がシンデレラマンの試写会に行ってきたのですが、上映時間が長かったことよりも協賛が小岩井乳業だったことが我が家では話題になりました。ボクは『映画の中で牛乳を飲むシーンがあった?』と冗談半分で聞いたのですが、あったそうです。でもほんの少しだし、まさかそれで小岩井乳業がこの映画のスポンサーになっているとも考えられない。乳製品を使った料理のレシピをもらったりしてましたが、映画そのものというよりはこの映画を見に来る層をターゲットにしているんでしょうね、きっと。ボクはあまりこの手の見る前から感動を強いられているような映画は好きではありませんが。

ヒトラー 最期の12日間

 ヒトラー 最期の12日間をみました。
 ブルーノ・ガンツがヒトラーそっくりの演技をしている話題作です。話題作ですよね? 金曜日の夕方4時開始の回の20分くらい前に行ったら満席で立ち見だと言われたので。
 この映画を見て、自分の勉強不足も痛感されることになったのですが、やっぱり第二次世界大戦について、自分の国の真実よりも他の国についてよく知っていたりより興味を持っていたりする状況というのはどう考えてもおかしいと思うし、他の国(特に近くの国)から見れば無責任だと言われるのが当然だと思いました。今はどうか知らないけど、ボクは学校で詳しく教わった記憶がありません。教えてくれないなら自分で調べなくちゃいけないし、この奇妙な不均衡を解消しなくてはと思ったりしました。
 ヒトラーという個人の悪が国家規模で実現されてしまったことを考えなければなりません。

ヴィレッジ

 ヴィレッジを見ました。
 シックス・センスに引き続き、M.ナイト・シャマラン監督の映画です。
 この映画もシックス・センスと同様にオチを言ってはいけない系の映画なので書けることが少ないのですが、事前に持っていた印象(映画の予告編などから得た印象)とはまったく違った作品でした。シックス・センスもこの映画も『へえ』と思わされる『本当はこうだった』というオチがあるのですが(シックス・センスについては途中で気が付きました)、監督はなぜそのように思わせる(だけの)映画を作るのだろうとふと思ったりしました。『何度見ても面白い』とか『見れば見るほど味わい深くなる』とか『見る度に違った印象を受ける』とかいうのとは対極にある映画だと思います。
 推理小説を読むのと似ていますね。

ヴィレッジ
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ポニーキャニオン (2005/04/22)
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苺とチョコレート

 苺とチョコレートを見ました。
 共産主義者の学生ダビドは恋人が他の男と結婚してしまい落ち込んでいたときに、ホモセクシャルの芸術家ディエゴと知り合う。同性愛への偏見を抱いていたダビドも、ディエゴとの交流を通して彼の人柄に惹かれていく。2人の間には友情が芽生えるが、ディエゴのダビドへの愛は成就することがない。
 ディエゴはキューバを愛していて、19世紀のキューバの詩人を愛読していたりする。しかし現在のキューバでディエゴが展覧会を開こうとすると当局の介入があって自由に作品を展示することができない。自宅のベランダからハバナの街並みを見渡して『世界で一番美しい街』だと言うディエゴが海外(アメリカ?)へ亡命するという選択肢を取らざるを得ない。革命のおかげで大学に入ることが出来たというダビドと共に、自分が愛する国から出て行かざるを得ないディエゴも確かに存在するのです。
 派手な映画ではないので忘れた頃にまたふと見てみたい気がします。

苺とチョコレート
苺とチョコレート
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ビデオメーカー (2001/09/28)
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アイランド

 アイランドを見ました。
 ボクはSFものが好きなのですが、それは例えばボクをワクワクさせてくれるような未来のアイテムであったり、知的好奇心をくすぐる入り組んだストーリーであったり、裏返されたリアリティーを迫る世界観であったりするのですが、それらがどれもないただの薄っぺらな近未来を描いた映画でした。
 大筋のストーリーもわりと使い古されたパターンを踏襲しているに過ぎないし、細部にしてもそのこだわりが徹底されていません。アクションシーンの映像もスピード感を出したいのだろうけどボクにはただ見難いものでしかなかったし、あんなにアクションシーンに時間を割くならもっと他の部分を作り込んだ方が物語に奥行きが出来るのではないかと思いました。どうもちぐはぐした印象を受けます。
 これまでになかった何か新しいものや、これまでとは違った何か新しい解釈というのは何も提示されていなかったと思います。ま、超娯楽大作を作りたがる監督なのですね、きっと。
 ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンは見ていて心地よかったのですが。

トリコロール/赤の愛

 トリコロール/赤の愛を見ました。
 3部作のこの映画の他の1編を昔に見た記憶はあるのですが、調べているうちにどれを見たのかわからなくなってきました。とにかく赤の愛でないことは確かです。
 この映画には一致しそうで一致しない偶然の出来事が散りばめられています。複数の物語が同時に画面にあらわれ、そのうちのひとつが別のひとつに登場する人物の過去に酷似しているということが起こります。
 学生でモデルの主人公の女性が、隣人の電話を盗聴する元判事の男と偶然出会うことで、男の閉ざされた心が少しずつ開かれていきます。(3部作の最終章でもある)映画の最後、ドーバー海峡でフェリーの転覆事故に遭遇した主人公は救出された7人のうちのひとりとして、元判事が見るテレビ画面に映し出されます(他の2編の主人公たちもこの7人のうちに含まれている)。テレビ画面に映し出された横顔のその荒い映像は、ちょうど取り外されたガムの広告の巨大ポスターの彼女の横顔と一致しています。写真に撮られた巨大ポスターの中の彼女が、フェリー転覆の救出者として映し出されるテレビ画面の中に移動したかのように。そしてガムの広告と大惨事の救出劇とがまるでどちらも大勢の人の目を奪うことを目的としている点で同じだとでもいわんばかりに。
 現代社会に対する批評的な視線、突如訪れる偶然への驚き、静かな愛のかたちが描かれていて、とても良い映画でした。また、梨のブランデーというのがどんな味なのかとても気になりました(登場人物たちが飲んでいるのです)。

キェシロフスキ・コレクションII 「トリコロール」セット
ジェネオン エンタテインメント (2003/12/05)
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花嫁はギャングスター

 花嫁はギャングスターを見ました。
 まあなんてことはない、B級ギャグ・アクション映画です。『これ必要か?』という演出が随所に見られました。メイキングを見ていたら実際のアクションも主演女優本人がしていたことが分かるのですが、だからどうという感慨も特にありませんでした。ベタさと間抜けさの同居は笑えるかどうかの境界線上を一歩向こうに踏み出してしまっていた感じで、でもそれを一歩こちら側と受け取れる人には面白い映画なんだと思います。
 そんな感じの映画です。

花嫁はギャングスター
松竹 (2004/09/25)
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ボウリング・フォー・コロンバイン

 ボウリング・フォー・コロンバインを見ました。
 とにかくまあこの映画に出てくる多くのアメリカ人の意識とボク(ら)との間には大きな差があるなあと思わされました(カナダ人との間にもまた別の差があるように感じましたが)。日本ではほとんど入手出来ないものがアメリカでは簡単に手に入れることが出来ることと、カナダでもかなり普及しているのにもかかわらず拳銃による殺人事件がアメリカに比べて圧倒的に少ないことに驚きました。
 マイケル・ムーアの映画は華氏911を見ていたのですが、どちらの映画も基本的に同じ手法で作られていると感じました。それは、様々な映像ソースをつなぎ合わせてある意見(彼自身の意見なのでしょう)を表明するということです。映画の中でムーア自身が何度も『ドキュメンタリー映画を撮っている』『ドキュメンタリー映画監督の』という言葉を用いていたと記憶しているけど、『あらゆるノンフィクション(ドキュメンタリー)がフィクションである』という意味よりもう一歩踏み込んだ形でこれらの映画はドキュメンタリーではないとボクは思う。
 しかしまあ問題提起はしているとは思うし、ウィットに富んだ部分もちらほらとありました。とにかく分かりやすいと思います。誰が悪者であるのか(誰を悪者として描こうとしているか)ということは見ていて簡単に分かります。ある意味ではムーアの悪意というものが映像に込められています。しかしまあ、これは彼の映画なのだからそれで良いのでしょう。
 アメリカという国が非常にいびつな形に歪んでいると強く感じました。

ボウリング・フォー・コロンバイン
ジェネオン エンタテインメント (2003/08/27)
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華氏 911 コレクターズ・エディション
ジェネオン エンタテインメント (2004/11/12)
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シックス・センス

 かなり遅ればせながらですが、シックス・センスを見ました。
 先日、友達と映画の話をしていたときにボクが『何か物語に仕掛けがあって、見ていくうちにその仕掛けが明らかになっていくような映画には刺激を受ける』と言ったらこの映画を薦められたのです。
 どういう話かよく知らなかったのですが(『死者が見える』というくらいしか知らなかった)、でもこれはやっぱりわかってしまいますよね。ひとつだけ『あれ、あれは誰だろう』と思うところがあったのだけど、たぶん関係ない誰かなんでしょう。
 それにしても、死が愛する2人を別つのはいつの時代も悲しいものですね。ブルース・ウィリスはあまり好きじゃないのだけど、この映画ではなりを潜めている感じで気になりませんでした。同じ監督(M.ナイト・シャマラン)の映画を今後見ていくつもりです。

シックス・センス コレクターズ・エディション
ポニーキャニオン (2005/03/02)
売り上げランキング: 4,070

ドッグヴィル

 ドッグヴィルを見ました。
 最近ニコール・キッドマンづいているのは偶然です。
 この映画はある山奥の村(ドッグヴィル)が舞台なのですが、村全体の概略図を実物大にしたようなセットで物語は進行していきます。モノローグの声にコントロールされているかのように、役者たちはそのような奇妙なセットで物語の登場人物を演じています。建物には壁がなく、入り口には扉がありません。でも役者たちは建物に入るときにはちゃんと扉を開けるし(音も聞こえる)、建物の中から外はけして見えないようになっているのです。
 そのような多少実験的なルールを把握してしまえば、村全体が概略図として現れているばかりではなく、人物もステレオタイプな描かれ方であることに気が付くことでしょう。ひとりひとりの人物について理解を深めようとするのではなく、彼ら全体が現前させているものを見る者は見るのです。
 物語の最後、村人たちから散々な目に遭わされてきたグレースは一度は彼らを許そうとは思ったものの、結局罰を与えることを選びます。間違ったことをすれば罰せられなければならない、たとえその原因が本人になかったとしても。
 正しいことをする強さが彼らにはなかったのです。だから彼らは間違ったことをしてしまったのです。最後のシーンにはカタルシスがあり見ていて爽快感すら感じてしまいました。
 エンドロールの写真とデビッド・ボウイも良かったです。

ドッグヴィル プレミアム・エディション
ジェネオン エンタテインメント (2004/07/23)
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スイミング・プール

 スイミング・プールを見ました。
 まったくどういう映画か知らずに見始め、前半から若い女の子がやたらと胸を露出させていたので『こんな演出要るか?』と思いながら見ていたのですが、作家の中年女性の対極としての存在を強調したかったのでしょうか。
 映画の主人公の作家が映画の中で映画と同じタイトルの小説を書き上げるので、映画全体がその小説に含まれるのか、あるいはやはり映画は女性作家が小説を書くこと(や、その他多くの出来事)を含んでいるのか、この映画は明確な形ではその問いに答えてはいません。なので、見終わったときボクたちは『あれはどういうことだろう』『あの人とあの人は同一人物だろうか』『どこまでが現実でどこからが小説に書かれていることだろう』などということに考えを巡らすのですが、ひとつの仮説が打ち立てられるたびにそれを崩しにかかる別の仮説が立ち現れてくるので、見終わったのがもう明け方だったこともあって放棄しました。そういうことを考えるのは楽しいのですが、正解を求めることにはあまり意味がないのでしょう。いろんな仮説を打ち立てる行為の方が有意義だというか。
 しかしまあ、映画に出てくる若い女の子の男の趣味の悪いこと。いろんな男を連れ込むのですが、年寄りとか丸くて気持ちの悪い男とかそんなのばかりでした。

スイミング・プール 無修正版
東北新社 (2005/01/21)
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ステップフォード・ワイフ

 ステップフォード・ワイフを見ました。
 男性が女性に求める完璧さとは何か、自分の思うとおりに考え動いてくれる女性が完璧なのか、男性はそのような女性を愛し、女性はそのように愛されることで幸せなのか、非の打ち所のないそのような関係はパーフェクトなのか、男性を支えるだけの(それに幸せを感じる)女性の存在とは何なのか。
 男女の(男女だけではないと思うけど、未熟な経験しか持ち合わせていないボクはすぐに男女の関係を念頭に置いてしまう)関係において、相手に何を求めるのかという問題をこの映画を見ながら何となく考えていました。自分の思い通りの女性になることを相手に求めるのか、それともパートナーの女性自身であることをそのまま受け入れるのか。
 この映画は前者のような女性になることを夢見た女性の悲劇なのだけど、基本的にはコミカルなタッチで描かれていて軽い仕上がりになっていると思います。ニコール・キッドマンという女優を追いかけてはいないのだけど、いろんな役を演じる人なのですね。細くて硬質で、まるでこの映画に出てくるアンドロイド(化された女性)よりもアンドロイドっぽい感じが出ていました。

ステップフォード・ワイフ
角川エンタテインメント (2005/06/10)
売り上げランキング: 3,424

太陽がいっぱい

 太陽がいっぱいを見ました。
 ボクは昔一度だけ見たことがあって、彼女はリメイク版のリプリーを見ていました。久しぶりに見てみて、前半のテンポの悪さにどうなることかと思ったものの、さすがにフィリップを殺したあたりからは見所も出てきて退屈することはありませんでした。
 ボクがこの映画でよく覚えていたのは、アラン・ドロン演じるトムがフィリップのサインを投影機で壁に拡大投射しその筆跡を何度もなぞって練習するシーンです。
 手に入れたいものをすべて手に入れたトムが幸せの絶頂にいたその瞬間に(『太陽がいっぱい』だと彼に言わせたその瞬間に)彼の完全犯罪は音を立てて崩れていきます。そのシーンには見ていて感じるものがあるし、あとはやはり別の人間になるというモチーフにも興味深いものがあると思います。
 リプリーではまた違ったアプローチのされ方がなされているらしいので、機会があれば見てみようと思います。

靴に恋して

 靴に恋してというスペイン映画を見ました。
 焦点が当てられる登場人物の数はけっこういるのだけど(10人ちょいかな)それら全員に何らかのつながりがあるという、『世間は狭い』的な物語です。最後はみんなハッピーになるのだけど、そうなるためには何かを失わなければならなかったということを感じました。
 登場人物が最初に画面にあらわれるたびにその人物の足の特徴(サイズなど)が文字で表示されたり、ある登場人物が靴をコレクションしていたり、足を見れば精神状態が分かるという医者が出てきたり、靴のデザイナー志望で今は靴屋で働いていて勤め先の靴を盗んで夜はその靴を履いてクラブで踊っていたりと、靴や足に関連するエピソードは散りばめられているのですが(薬中だったお姉さんが弟にサッカーシューズを買ってあげるというのもあった)、何かこう靴や足である必然性が感じられなかった。
 というところでスペイン語の原題『piedras』にあたってみれば、それは『石』という意味だという。外国映画の邦題の付け方にはその場その場でため息をついてきたのですが、なぜこれが『靴に恋して』なんていう邦題になったのだろう。
 マドリッドが舞台のこの映画、彼女が横で『ここに行ったことあるかも』と言ってました。手製のフローズンヨーグルトを食べながら見ていたら意外と遅い時間になってしまったのは、映画が意外と長めだったからです。

パラサイト

 日曜の夜にテレビでやっていたのを何気なく見ていました。B級感満点のCGがおもしろくて笑っていました。だって、高校教師の切り落とされた指先が床を走り滑る様がまるでチョロQのようだったんだもの。女教師の切断された首から上がちょうどタコの頭の部分と入れ替わったような感じで(首のあたりにタコの足が生えたような感じで)地面をうろちょろする様を見て笑わずにいられますか?
 キャストは豪華なようで、ボクでも何人か知っている人が出ていました。ロード・オブ・ザ・リングのアニメ顔の人(Elijah Wood)とか24に出ていた人(Laura Harris)とか。
 テレビでやっているのを見るくらいがちょうどよいくらいのSF映画だと思います。

パラサイト
パラサイト
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ポニーキャニオン (2003/11/19)
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